短編「SIGNATURE」が第70回ロカルノ国際映画祭などで高い評価を受けた近浦啓監督の長編デビュー作。中国人青年チェン・リャンは技能実習生として日本にやって来た。中国の家族たちの期待を背負って来日したものの、劣悪な職場環境から逃げ出してしまい、チェン・リャンは不法滞在者となってしまう。そんな彼は他人になりすまし、そば屋で働き口を見つける。そば屋の主人・弘は良好でない息子との関係もあり、心に孤独を抱えていた。口数が少なく不器用で、厳しくも温かい弘の人柄に父を重ねるチェン・リャン。彼の嘘に気づくことなく、次第に情を深めていく弘。2人はまるで親子のような関係を築いていくが、チェン・リャンに警察の手が迫っていた。チェン・リャン役を「孔雀 我が家の風景」の中国人俳優ルー・ユーライ、弘役を藤竜也がそれぞれ演じる。2018年・第19回東京フィルメックスのコンペティション部門で観客賞を受賞。